3.12.20(土) 文楽

記念講演会が大阪市立大学であり
僕は文楽協会の会員なのでいつでも見れるのだが講演と討論会もあるというので行って見た。
演者の方たちの生の発言が聞けてよかったですよ。

太夫、三味線、人形の講演
太夫は竹本津駒太夫さんが講演された
声を腹の底から出すための工夫に腹帯を巻く、落としという砂袋のようなものを着物の腹の中へ入れておく、
尻ひきといって腰掛のような台で腰を地べたから浮かしておくなどの方法を説明された。
声が出るまで30年は掛かるそうです。
それともうひとつ興味深いのは登場人物によって語り分ける方法を伝授してくださった。
決して声を作っては行けないとの事、息とテンポ・間・高さを変えることで表現しなさいという事だった。
実演も交えての解説に圧倒された。
笑い方ひとつとっても時代物、世話物によって違うそうだ。時代物は腹の底から唸るように、世話物は軽く町人をイメージして。

三味線は野沢喜一郎さん
糸巻きにあたるねじめは黒檀、フレットにあたる棹は紅木、胴はかりんの木で東南アジアから輸入しているそうな
皮は中国からの輸入、犬の皮は腹開きで表面には何も無く歯切れがよい音が出るらしい。
猫の皮は背開きで表面には穴が4つ開いている、これはお乳だそうだ、丸みを帯びた余韻のある音が出るとの事、
見習い期間は犬らしい、野沢さんは未だ猫を持たせてもらえないらしい。
ブリッジは駒で水牛の角に鉛を埋め込んで湿度が変わっても皮の張りを一定にしてるらしい。
弦は糸といって絹。バチは象牙で出来ていて音色が重厚に弾けるそうだ、糸にもやさしいらしい。
芝居の情景を考えながら弾き分けてゆくそうな。

人形遣いの講演は桐竹勘十郎さん
初め人形は一人遣いだった、細やかな動きを表現するようになってきて三人遣いになってきたのだそうです。
舞台下駄はわらじで省音されている、頭は檜で作られているらしい。
自分が何者で何しに舞台へ出てきているかを常に考えていらっしゃるそうだ。


本日の出し物は曽根崎心中 天神の森の段
かぶりつきの席で見られた、目の前に照明が当たっている白いお初と徳兵衛の顔を見上げる最高の位置です、
心中を遂げるシーン お初の体が小刻みに震えているのが判る距離です、
その震えが徐々に大きくそして小さく揺らいでいるのです、感動の瞬間。